December 04, 2016

「灼熱の魂」

やっと名前を言えるようになってきた(!)、ドゥニ・ヴィルヌーヴの未見作。

見逃していたことを後悔してます。劇場で観ていたら、きっとぶるぶる震えて、息を飲んでいたであろう。
なんたる恐ろしいドラマ。濃厚で深く、徹底的なまでに面白い。
戯曲がベースになっているということですが、この映像化は素晴らしいものになっている。

レバノン内戦と思しき歴史背景は明快に描かれないが、運命を翻弄される女性が生き抜く姿に胸が熱くなる。絶対にネタバレなので書かないですが、物語にちりばめられたミステリアスな描写が見事。この人、本当に上手いですね。

はぁ、すごかった。
Incendies2


December 03, 2016

「母と惑星について、および自転する女たちの記録」

PARCO劇場再開発でたたんじゃう最後の公演。
つかこうへいから三谷やらで、若い頃から何度も足を運びました。

「母と惑星について、および自転する女たちの記録」というタイトル。
蓬莱竜太の台本を栗山民也が演出。
こんなこというと怒られそうだけど「海街diary」ダークサイド版といった趣きでした。
PARCO劇場、たまたま最後の2回が志田未来(前回は「オレアナ」)。
追っかけしてるみたいですが、たまたまですよ、たまたま。
Haha_fly_omote


「ファインディング・ドリー」

前つけ短編の「PIPER」が良すぎて、これで帰ってもいいか、くらいだったんですが、肝心のドリーも世界的ヒットが納得の猛烈なクオリティでしたね。
「ズートピア」同様、うかつに書けない深さがあり、娯楽映画でこんなところに踏み込むプロダクトってすげーな、とため息をついてしまいました。ハンディキャップの描き方、共に生きていく社会。道徳や倫理を教育、というだけでなく、家族みんなで考えよう、という話だ。
ツボはタコとラッコ。特にタコは「こいつがいればなんでもできちゃう」扱いなんですけど。

「パージ」「パージ:アナーキー」

「パージ」。
こういうゲームみたいな映画って、SFジュブナイルからホラーサスペンスまで、まぁ世界中にゴロゴロ転がってますが、本作は低予算ながらあっさりヒットいたしまして、続編も作られてます。
1年に1晩だけ、どんな犯罪をしてもいいんだよって法改正をしたら、犯罪率と失業率が一気に減りました、という設定。んなアホな。
で、主人公一家がなんだかんだで、この粛正状況に巻き込まれてのサバイバル、となるわけです。とはいえ、この1アイディアで乗り切るのは、ちょっと話が薄すぎるので、そのぶん、極端なバイオレンスで進めるんだ。これが途中で飽きちゃって、イライラするのだね。ハラハラドキドキ、ではなくイライラ。
あ、観終わった人と「キミなら誰をパージする?」と語りあう楽しみ方がありますね。
きっと僕は早めに殺されると思います。あいつとか、あいつから。
「パージ:アナーキー」
スケールアップして、外に出てみました。殺しに行く者とターゲットにされて逃げ回る者が、道連れになる…のは予想の範囲なので、「あー、なるほどねー」ではあります。
でも、やはり途中で飽きましたね。
黒幕とかも出てきて、「バトルランナー」のようになる…のか?
PurgePurge2


「怪盗グルーの月泥棒3D」「怪盗グルーのミニオン危機一発」「ミニオンズ」

実はこれまで一度も観ていなかったのね。

実は1本も観てませんでした、これまで。

「月泥棒」
人種や家族の在り方をコミカルに描く。流行だった3D演出が派手。
「危機一発」
こちらは前回以上に「いろいろな国から来た人がアメリカにはいる」というお話。
キャラデザインが日本人好みではないので、当初ヒロインがまったく馴染めなかったのだが、最後には可愛くみえるストーリーの強さ。
今気がついたんだけど、タイトルが危機“一発”なんだ。
「ミニオンズ」
これなら正直、いくらでも作れますね。
当たった者勝ち。
サンドラブロックがでしゃばりすぎ。

「ブラック・スキャンダル」

見逃してたのをようやく。
ジョニー・デップで実録ギャングと言えば「フェイク」が懐かしいが、あの若造がいまや本物のボスになるか、という経年を感じる。
最近ハンサムではない仕事ばかりのデップだけれど、今回も狙うは「凶悪な怪人」で、怖さも含めてすごい存在感であったね。ステーキのレシピのくだりは良かった。

それにしても、この杜撰な仕事ぶりでバレないと思ってたのか、FBI。
Black


「マイ・ビッグ・ファット・ウェディング」「My Big Fat Greek Wedding 2」

続編と併せて機内映画で。
公開時、まったく食指が動かず敬遠していた映画。
家族はウザいがとてつもなく暖かい。核家族時代をせせら嗤う、ギリシャ人の奥深さですな。
まぁ、ひたすら笑いました。

続編は何かすごいって、14年経っても同じキャストで、あの家族が元気だ、というところ。続けてみると、なんだか嬉しくなりますよ。
まぁ、それだけなんですけれど。
お父さん(おじいちゃん)に泣かされる。観てるこっちがそういう世代だからね。

Bigfat


「僕だけがいない街」

マンガ、アニメとみんなが大好きな題材らしい。
「バタフライ・エフェクト」を目指したのか、やりたいことはよくわかるのだけれど、正直この“やり直し”効果がとてもいい話になっているのか、この映画ではいまひとつつかめなかったのね。
印象が薄く、すぐ忘れてしまいそう。

「ミュージアム」

この監督、いつのまにかマンガ映画ばっかりになってますね。

製作のWOWOWは猟奇やグロにこだわりがあるようで、「CSI」全部やるし、「クリミナルマインド」もずっとやってるし、自社ドラマも地上波ではやらない描写や展開が多いね。
そのWOWOW25周年記念の劇場用映画は、驚くべきことにレイティングがG。つまり年齢に関係なく、家族そろって「均等の愛の刑」を観ることができるわけだ。なんたる悪趣味。なんたる底意地の悪さ。
でも、ここでGを勝ち取る挑戦があるって素晴らしいね。画面に見えるものより、観客に連想させるものが、とてつもなく凶悪なんだよね。黒沢清の「クリーピー」もあの内容でGでしたが、映倫のガイドラインが心配です。まぁどうでもいいですが。

とはいえ、映画としてはちょっとバランスを欠いているか。「セブン」を目標にしたら、韓国スリラー(たとえば「チェイサー」)みたいな雰囲気になってしまった、みたいな印象。
とりわけ主演俳優の“苦悩の一人芝居”とカエル男の“大根サイコ”には失笑を禁じ得ない。
この辺をうまく省略して、2時間を切れば、もっとよくなったと思いますが。
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November 28, 2016

「ファンタスティックビーストと魔法使いの旅」

思わず「ポケモンかよ!」と突っ込みたくなるような前半と、謎解きと怪奇タッチの後半。渡米するとハリーポッタータッチは急にハリウッドっぽくなるのですね。悪くはないですが、とにかくVFXの物量でアクションがド派手。
世界観のルールが不親切なので、「あ、そうですか」という感じです。

ゴキブリがダメな人は注意。

ハリポタで積み上げた展開にうまくのれば、大当たりしそうですね。

FantasticFantastic2Fantastic3Fantastic4


「複製された男」

劇場に行くタイミングがなく、その後なかなか機会がなくて。
90分程度の尺なのに、猛烈な濃度で襲ってくる傑作。
「プリズナーズ」「ボーダーライン」と刺激的な問題提起をしてくるドゥニ・ビルヌーブの“SFタッチ”の男女ドラマ。っていうか、男の人は心臓に悪い内容になっている。
【カオスとは未解読の秩序である。】と冒頭からいきなりハードルをあげてきますが、とてつもなくわかりやすいイーライ・ロスの「ノック・ノック」と同じところをつついている、と思えばクリアです。
サラ・ガドンとメラニー・ロランが綺麗過ぎ。うらやましいな、ジェイク。
監督、来年は「メッセージ」「ブレードランナー2049」とSFですね。また、一筋縄では行かないんだろうな。
Enemy1Enemy4
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「プロジェクト・アルマナック」

MITに進学できそうな秀才高校生とその仲間が、ひょんなことからタイムマシンの設計図を入手し、作り上げてしまう。
そこから起こる騒動が、コメディではなく、人命にかかる収拾のつかない事態になってしまう。学生の撮ってるPOV手法だから、「クロニクル」っぽくはなってしまうのだけれど、本作は主人公の恋愛もからめて、“青春映画”っぽくしているのがミソ。
全体的にアドベンチャーゲームみたいな感じです。選択を失敗したら戻ってやり直す、みたいな。
狙いはわかるけれど、このPOVがくせ者で、例によって酔いやすく、また、「それ、撮る必要ある?」と突っ込みたくなるずるさが垣間見えちゃうのが薄口。普通に撮ってもよかったんじゃないのかしらね。
特典映像にある、別エンディングの余韻も悪くない。
Almanac


November 27, 2016

「シン・ゴジラ」

公開されてから、SNS等での業界鑑賞率がやけに多いんで、皆が気にしてたのがわかります。ギャレスの時よりも話題になっとる。
出張で初日に間に合わなかった(!)ので、ここはやはりIMAXだろうと、新宿まで出っ張っていったら、偶然にも隣の席がS社のM氏。2人で「超仲良しみたいじゃん」と大笑い。
で、本編ですが、特撮歴半世紀のおっさんにとっては、ハンマーで殴られたような大傑作になっておりました。リピートしないと追いつけない情報量に圧倒された。
ただし、「(プロの)オタクの本気」映画なので、わからない人も少なくなかろう。それは覚悟の仕上がりです。
間違いなく東宝特撮史、日本怪獣映画史に残る1本。災害対策シミュレーションとしても突出しており、さらにはレジェンダリー版への「わが国からの返信」にもなっとります。
この映画にグッと来た人は、大人だけで満足完結しないで、子供や若者を引っ張り出して共に観て、次世代の特撮・怪獣ファンを育成していただきたいです。特に小学校高学年から中学生くらいの男子。こいつらを教育するのは、熟年オタクどもの使命だ。
やはりなんといっても伊福部サウンドに燃えます。遺伝子に刷り込まれてるをだな、こりゃ。
あと、野村萬斎のモーションアクトにはびっくり。
よい思い出になったM氏との邂逅にも感謝。
IMAXの恩恵はあまり感じなかったか。

2回目(w)はご当地立川の「極上爆音上映」。砲撃と爆発の映画なので、実に心地よい重低音でした。これはなかなかの付加価値あり。
ついでに言うと、日本語字幕版だったので、科学や軍事用語がいろいろ補完できます。
劇場はほぼ満員で、エンドマークで拍手が出るくらいの盛り上がりでした。わざわざ出っ張った甲斐があったな。
これは今年の金メダル邦画ですね。

※その後も機内とかで繰り返し流してますw。
GodzillaGodzilla4
Godzilla3


「アウェイクニング」

ゴシックホラーな雰囲気は抜群。されど、中身が「あれ?そんな展開なの?」という盛り込み過ぎの腰砕け。
レベッカ・ホールが好きな人(いるのか?)にはごちそうがあります。
相手役のドミニク・ウェストは、どこで観たんだろう、と調べたら「アフェア 情事の行方」の主役だった。よろめきサスペンスでしたね。
Awakening


「ターザン:REBORN」

「グレイストーク」やアニメを経て、なかなかの大作として作られました。CG多用の昨今の映画にはなってます。正直、雑なお話と勢いだけなんですけど、この物語には最近のアクションアドベンチャーに不足している「ロマンス」がある。
愛する妻を救出するために、命をかけて追跡するイケメンマッチョ。愚直でロマンティックなヒーロー譚は清々しいまでに気恥ずかしい。
苦悩するアメコミヒーローとは異なる立ち位置が気持ちよかった。
Tarzan


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