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April 08, 2012

「僕達急行 -A列車で行こう-」

人生で一人だけ、映画人に感謝を捧げるとしたら、僕は森田芳光以外にはいない。

高校生までは、洋画(特にアメリカ映画)しか信じていなかった。スピルバーグやルーカスが黄金時代を築こうとしていたし、ニューシネマ、ヒッチコック、MGMミュージカルと、しびれるものがたくさんあった。一方の邦画は、画面がチープで汚くて、登場人物が概ね絶叫していて、展開は悲劇ばっかり(最後には必ず振られる寅さんも含め)だったし、自分の若さにとってはダサすぎて相容れないもの、と決め付けていた。
でも初めて「の・ようなもの」に出会ったとき、そのリズムに一瞬で魅了された。何度繰り返して観ただろう。シブがき隊(実はけっこう面白かった)、2本のロマンポルノ(どっちも最高に面白かった)を経て、「家族ゲーム」「ときめきに死す」に連続してであった。これがもう決定的だった。「の・ようなもの」とあわせ、この三本がなかったら、僕は邦画に興味を抱くのが、もっと遅くなってたかも知れない。
角川映画、夏目漱石、とんねるず、石田純一あたりの80年代の大騒ぎ。「キッチン」あたりからのすべった感じ。「失楽園」の大ヒット。そして「39」「黒い家」「模倣犯」あたりの大迷走。そして「椿三十郎」での衝撃の挑戦。「武士の家計簿」はある意味“底”の印象だったがために、正直この先はどうしようかな、と不安視したところで、まさかの訃報であった。

あまりのことに言葉がなかった。

最後に残した本作は、昔の森田の匂いがぷんぷんする、拍子抜けするくらいに力の抜けた、平和で退屈な映画だった。退屈なのは、必要以上に甘くて優しいからだ。でもその甘さと優しさが、今の日本(ことさら震災後の)には必要だったことを、森田は知っていたようだ。

本編はユルすぎるので、そんなことばっかり考えてしまうのだ。
いろんなことを思い巡っているうちに、涙がとめどなくあふれてきたのであった。

Atrain00
↑もう観られないのね、何も。

Atrain01
↑このあたりは、30年くらい前のテイスト。

Atrain02_2
↑草食系を表現するのはいいんだが、この若手、二人とも既婚。

Atrainmatuzaka
↑サラリーマン物としてもポテンシャルがある。

Atrain03
↑役名が電車の名前なのね。あやめさんこと松平千里は、ちょっといい感じです。

Bokutachi07mura
↑秘書役の村川絵梨って、どこかで見たことあるなぁと思ってたら、「椿三十郎」でファイトポーズしてた腰元だったか。

当たれば続編も作れるようになってた。今回は九州編。寅さんや社長シリーズみたいに。そんな楽しみももうないのですね。

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Comments

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