書籍・雑誌

September 17, 2011

「ジェノサイド」

高野和明 角川書店

非常に評判のよろしいエンターテインメント。
海外物のポリティカルスリラーに、SFタッチの“新生物”、そして新薬生成をめぐる奇妙な物語が、半ば強引に結びついていく。どうしてもそこに違和感があって読み進めなくなってしまったのだが、割りきったらとたんにスピードがあがりました。

まぁ、今年を代表する本にはなるだろうて。

April 29, 2011

「雑司ヶ谷R.I.P.」

ド迫力のページターナー。
この作家の描く思想には、終始共感いたします。

前作よりもさらに力が増しているね。サブカル好きは飛びついて損はなし。


「平成ウルトラマン ライドメカTOY大全」

元部下から献本いただく。

ウルトラシリーズと玩具展開の歴史がひと目でわかります。
パラパラ見ているだけで楽しい。


March 19, 2011

樋口毅宏の「日本のセックス」がやはりとんでもなかった件

樋口 毅宏 双葉社

「さらば雑司ヶ谷」と「民宿雪国」の間に刊行していた“怪小説”。

俺は10年以上前に編集者をしていたんだが、もし今でも同じ仕事をしていて、この小説原稿に出会ってしまったとしたら、どうするだろうかと思いを馳せる。
少しでも多くの人にこの作家の才能を知ってほしい、という思いや、公序良俗や常識非常識といった言葉や、そもそも「タイトルは変えなくてはいけないのかも」なんて保守性とか、そもそもそんなレベルの小賢しさはふっ飛ばさなきゃなんて葛藤があったと思う。でも、きっと社長に「そんな嫌らしいものは出すな」と一蹴されて、泣く泣く作家に返却するのであった…たぶん。

冒頭のえげつない描写から、中盤のSMバイオレンス、そして“ちょっと腑に落ちない偶然”を転機に、予想もしない物語に展開する、小説の面白さに満ちた傑作。でもそんな俺の常識感が、どこかで笑われているような気さえするんだけどね。

食わず嫌い禁止。
ただし、「さらば~」や「雪国」を読んでからのほうが、拒否感は少ないかも。


March 06, 2011

「東映アニメーション演出家40年奮闘史」

森下孝三 一迅社

仕事上必要で読んだんだけど、編集した人が普通に知り合いだったこともあり、先日飲みながら話が盛り上がってしまった。
もちろんどんな話題かは書けませんがw。

アニメというビジネスが“パッケージ”になってしまった現在、俺のような仕事をしていると「商品化の可否」や「出資提供」などの基準でしか作品を測れなくなってしまい、「子供が毎週楽しみにしている番組」であったことをすっかり忘れてしまっていた。
自分がそれらテレビアニメに育てられていたのにもかかわらず、だ。

そんな意味でこの回顧録には大いに反省を煽られました。


February 22, 2011

「民宿雪国」

樋口毅宏 祥伝社 

この作者の「さらば雑司ヶ谷」の生硬さが吹っ切れて、自由奔放で異常な世界が広がってた。

陰気で俗っぽい暴力描写で始まり、昭和の史実を交えながら、第二次大戦の暗部をえぐり出す、ちょっと稀な読後感がある怪作だ。ジャンル分けも難しい、あえて言うならば伝奇小説か。

大ボラも突き抜けると、圧倒的な存在感があるんだよね。
それを楽しまない手はない。

本を読むことの快楽がここにある。

映像化とか考えないほうがいいよ。読んで面白ければいいんじゃないのか。

February 11, 2011

「慢性拳闘症」

香川照之 講談社

あまりに有名な“ケンキチ”俳優が、あの「あしたのジョー」実写化に出てしまった…という事件を、撮影日誌風につづった異色メイキング。
冒頭数ページで、この人がどれだけボクシングに造詣が深いかわかれば、この本はかなり楽しい。
さらっと読み進みながら、177ページの写真を開いた時の爆笑といったらもう!

ちょっとアホらしい表現も少なくないが、とりあえず「ジョー」は確認しにいかないとあかんかな。



「悪の教典」

貴志祐介 文藝春秋

寡作なれど打率の高い秀才作家による、トンデモ犯罪学園物。ゆとり&世界をなめた子供たち、聖職とは思えないエゴでアンモラルな教師たち、さらにモンスターペアレントなどなど、ダメ人間グラフィティのような物語なのだが、主人公でもある教師がサイコパス、という一点がこの小説を高みに押し上げる。

後半の大殺戮劇は、「バトル・ロワイヤル」のごとく劇画的で、なんかもう笑っちゃいます。

非常によくできたページターナーですが…なんか褒めすぎの感もありますな。


January 09, 2011

「ロードサイド・クロス」

ディーヴァーの新シリーズ、キャサリン・ダンス物は、ライム物と比べて少し主人公が弱い。
キネシクスの技術も、ピンポイントでは面白いんだけど、事件解決の鮮やかな決め手にはならないので、どうしてもキャサリンのキャラクターでドラマを牽引することとなり、それが逆に作品の魅力にもなっているようだ。
俺の好みとしては、ライム物のどんでん返しの連続が楽しくて仕方がないので、キャサリンの弱さや悩みなどがドラマとして組み込まれると、ちょっとうっとおしく思う部分もある。
だから、「スリーピング・ドール」はズバっとこなかった。どうしても比較しながら読んでいたこともあるが。

でも、今回はなじみ深いネット内の暴力の話である。ブログの管理人が何か権力でも得たかのようにふるまったり、MMORPGの中で“犯人”探しをしたり、と「ソウル・コレクター」に引き続きディーヴァーのネットへのアプローチが堪能できる。読んでてどうしても思い出してしまったのが、「踊る大なんとか」の脚本家が繰り返し描く「ネットオタクは凶悪」という描き方。あれとは比較にならないくらい、高度なエンターテインメントなんだよね。

と、ここまで書いて、「青い虚空」を読んでいなかったのに気付いた。やべぇ、買わなきゃ。


なんとなく、“映画化”を意識しているようにも思えます。ライムシリーズが続かなかったのを気にしているかのように。訳者あとがきにディーヴァーが次回007を書くっていうのもあるから、けっこう映画ミーハーなんじゃないか。サンドラ・ブロックとかがやりそうw。

January 08, 2011

日本映画[監督・俳優]論 ~黒澤明、神代辰巳、そして多くの名監督・名優たちの素顔~

ざっくばらんに映画と映画監督を語るショーケンの、愛すべき情熱口調に心打たれる。
しかも現場主義、勉強熱心で、愚直なまでののめりこみ方には、今の映画界がダメになってしまったものと逆の魅力があるのだね。

こういう人が、もっとたくさん出てくれないと、面白くないのかなぁ。

ショーケンがあらためて大好きになる1冊。

※「ショーケン」も読まないと!

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